始めに

かつて、ぼくは「沖縄(ウチナー)から」という沖縄からのレポートや「北帰行」という旅日記を発信しました。さてそれから幾星霜、またも懲りずに今度は「虚構の街」という写真付きエッセイを発信することにしました。

 きっかけは南岳さんというカメラマンとの再会でした。

ぼくと南岳さんは、ほとんど同じ時期に某商事会社に入社し、仕事上もプライベートでも多くの関係ができ、青春の一時代を過すこととなりました。それから数十年、関係は疎遠になっていましたが2011年3月11日に南岳さんが新宿御苑で写真撮影中に東日本大震災に遭遇し、帰宅手段を無くし、我家に一泊し、それを機会にまた交流が復活することとなりました。

その交流の中で、ぼくが作文が好きで南岳さんが写真が得意と分かり、それを合わせて定期刊行物を出そうという運びになったものです。どうぞ温かく、そして冷たく見守って下さい。(海千記)